当協会は創立40周年を記念して記念誌『港湾遺産』を発刊しました。

 この冊子は、江戸時代や明治初期に築造された各種港湾構造物の写真や資料をふんだんに盛り込んだ記念誌としており、港湾の築造に携ってきた先人たちの偉業を讃えるとともに、港湾施設が重要な社会資本として永く後世にまで伝えられる事を願って制作したものです。広報紙「マリンボイス21」に掲載してきたものの内、歴史的価値の高いものを中心に再度撮影、取材を行い、足掛け3年を費やして編纂いたしました。

 欧米では土木遺産の認定・保存に早くから取り組んでいますが、我が国でも近年ようやく歴史的建造物の意義が認められるようになってまいりました。大型の作業船やコンクリートなど優れた資機材が存在しなかった時代に、人の手によって築き上げられた石積みの護岸が今もしっかりと港を護っている現状や、明治時代のお雇い外国人技術者の指導によって建設された港湾構造物が今でも活躍している現実を目の当たりにする度に、当時からの港湾整備の重要性や受け継がれてきた港湾土木技術の使命が今後も変わらない事を実感するでしょう。

 記念誌『港湾遺産』では、防波堤はもちろん岸壁や造船台、さらには灯台から閘門、倉庫まで各種の港湾構造物23カ所を取り上げています。本書では美しい写真と解説からなる本編と、築造に関わった人物や構造形式など関連するデータをまとめた資料編の2部構成となっております。
編 集 社団法人日本埋立浚渫協会 40周年記念事業WG
監 修 合田良實
写 真 西山芳一
浜本 巧
発 行 2002年5月