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一般社団法人 日本埋立浚渫協会 国際部会
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 (一社)日本埋立浚渫協会・国際部会では、平成30年2月27日〜3月2日の間、ベトナム国ハノイ市で開催された国土交通省港湾局主催(事務局OCDI)による「航路の維持管理セミナー」および「日アセアン港湾技術会合」に参加し、会員各社の技術をアセアン諸国に広め、参加各国との意見交換を行った。また、会員各社が施工しているベトナム国ラクフェン港の工事を視察し、各現場の担当者へヒアリングし現況把握を行った。
1.概要
 平成29年度、国際部会では、五洋建設株式会社技術研究所水流副所長が浚渫の専門委員として日本の浚渫技術をアセアン各国へ紹介するとともに、会員会社が所有している高度な技術をアセアン各国へ普及するため、ベトナム国ハノイ市で開催された「航路の維持管理セミナー」「日アセアン港湾技術会合」に参加し、参加各国(図−1)と意見交換を行った。
 また、セミナーおよび会合終了後、3月2日(金)は、ハノイ市から南東100kmのハイフォン市郊外に位置するラクフェン港において会員各社が施工している工事を視察し、各現場の担当者と意見交換を行い、現況把握を行った。
表−1 航路の維持管理セミナーの発表内容 図−1 参加国とベトナム国の位置
2.日程および調査参加者
 本調査の日程を表−2に、会員各社からの参加者を表−3に示す。
表−2 日程 表−3 参加者一覧表
3.ベトナム国の概要
 ベトナム国の概要を表−4に示す。ベトナム国は、2008年までGDP成長率が8%を超えていたが、2008年・2009年に発生した世界的経済危機の影響を受けGDP成長率が5%未満となった。その後はGDP成長率が徐々に回復し、現在はGDP成長率が7.5%前後の高い成長率を維持している。日本はベトナム国にとって最大の経済援助国で、ODAはベトナム経済に大きな影響を及ぼしている。
表−4 ベトナム国の概要
4.航路の維持管理セミナー・日アセアン港湾技術会合
4−1.航路の維持管理セミナー  航路の維持管理セミナーは、2月28日(水)、ハノイ市内のHotel Nikko Hanoiにて開催された。セミナーにはベトナム国およびアセアン各国等の港湾技術者約70名が参加した。
 国土交通省港湾局産業港湾課の種村誠之首席国際調整官の挨拶によりセミナーが開会し、港湾局産業港湾課の水島係長が司会進行を行った(写真−1)。

写真−1 挨拶する種村首席国際調整官(左)、司会の水島係長

第1部では、以下の内容の発表があった。
@ベトナム国DO MINH DAT氏:ベトナム国の港湾開発と航路維持管理について
A港湾局水島係長:ベトナム国の技術基準の制定
B九州大学大学院工学研究院中川康之教授:日本国内での河川港埋没現象と対策検討(写真−2)
C日本埋立浚渫協会水流正人氏(五洋建設株式会社):日本の浚渫技術と海外実績
水流氏から日本の浚渫技術の変遷、掘込港湾の実績、更に最新のICT技術について紹介があった。

写真−2 発表する九大中川教授(左)、埋立浚渫協会の水流氏

第2部では、日本埋立浚渫協会の鈴木勝調査役の司会により日本の港湾整備技術について以下の内容の発表があった(写真−3、4)。
@遠藤祐一氏:五洋建設株式会社 日本の港湾建設および埋立技術について
A曠野博紀氏:東洋建設株式会社 ミャンマー国におけるジャケット工法による岸壁整備について
B川畑辰夫氏:東亜建設工業株式会社 日本の環境技術について
C野津光夫氏:株式会社不動テトラ 日本の地盤改良技術について

鈴木氏 遠藤氏
曠野氏 川畑氏
野津氏  
写真−3 プレゼンテーション及び意見交換会の様子

写真−4 セミナー参加者全員の集合写真
4−2.日アセアン港湾技術会合  日アセアン港湾技術会合は、国際部会からも出席のもと、翌3月1日(木)引き続き同じ会場にて開催された(写真−5)。
1)九州大学中川教授より、航路維持浚渫は安全面、経済面で重要な課題である。アセアンでも同様なシルテーション問題があり、本会議にて3年間で航路維持浚渫のガイドラインを作成することが説明された。
2)会合では、アセアン3ヶ国からのシルテーション問題についてのプレゼンテーションがあった。
@ベトナムVINAMARINE Nguyen博士:ハイフォン港の事例
AミャンマーMMU Khin教授:ヤンゴン港の事例
Bインドネシア海洋研究所Aloysius氏:パティンバン港の事例
3)航路維持浚渫調査の検討項目についての議論OCDI佐藤主任研究員より、アセアン各国への今後の調査項目と全体スケジュールの説明があった。
4)種村首席国際調整官から本会議の結論としてMemorandum of Meetingの内容確認があり、会議終了となった。
 なお、参加者より前日の協会のプレゼンテーションに対する質疑応答が行われた。

写真−5 日アセアン港湾技術会合の様子
5.ベトナム国視察
5−1.ハノイ市内インフラ視察  また、3月1日(木)、ハノイ市内の都市インフラ施設の視察を行った(写真−6、7)。ハノイ市はベトナム国北部の紅河沿いに位置し同国の首都である。
 近年はベトナム国外からの投資が多く、中国からの投資による都市交通(新交通システム)の建設も急ピッチで行われている。また、日本の投資によるショッピングモールが完成し、日本人の生活事情が大きく変化した様である。

写真−6 ハノイ都市建設博物館、会員会社ビルで打合せ

写真−7 新交通システムと日本のショッピングモール

5−2.ラクフェン港視察  3月2日(金)は、日本埋立浚渫協会のメンバーで首都ハノイ市から約100km南東に位置するハイフォン市郊外のラクフェン港(図−2)の視察を行った。
 ハノイ−ハイフォンが全線高速道路で結ばれ、ラクフェン港の事務所までも延長10kmの橋梁が開通した。このような整備により、ラクフェン港で工事を担当する会員各社の環境が大きく変化した。

図−2 ラクフェン港平面図
 以下に、ラクフェン国際港建設事業のPACKAGE6、8、9、10各工事の工事概要および各工区の意見などを記す(写真−8、9)。また、ベトナム国の工事実施上の特色等について、表−5に記す。

写真−8 ラクフェン港での意見交換の様子 写真−9 日本の大型浚渫船(第3スエズ)
・環境保全に関しては規制が厳しく、汚濁が初期値を超えると工事を中止するよう管理している。
 同港の整備はODAと民間投資の連携による大型プロジェクトであり、このように本邦企業の参画により海外の大型プロジェクトが進むことを望む。
(文責:みらい建設工業株式会社 石原慎太郎)
1)PACKAGE6:埋立・護岸工事 2)PACKAGE8:航路浚渫工事
3)PACKAGE9:航路浚渫工事 4)PACKAGE10:防波堤・防砂堤工事
表−5 ベトナム国の工事実施上の課題等

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