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日起建設株式会社
鹿島港作業所 鹿島港外港地区南防波堤本体工事(その3) 所長
佐橋 賢治(さはし・けんじ)氏
 太平洋の荒波が打ち寄せる茨城県・鹿島港。その外港地区の沖に見える南防波堤の本体となるケーソンを製作するこの現場に乗り込んだのは昨年11月下旬のこと。今冬は最強ともいわれる寒波の襲来で各地にさまざまな影響が出たが、ここでは幸い雪が降ることもなく、作業は比較的順調に進んだという。
 近年は陸上の土木・建築工事も多く手掛ける日起建設の土木技術者の中で、「必ずしも海上工事のプロというわけではない」と謙遜するが、自身が中心になって施工する海の工事はこれが8件目になる。これまで、鹿島港のほかに愛知県の名古屋港や三河港、福島県の相馬港などでも工事を行ってきた。
 日起建設の地元、愛知県出身。愛知工業大学を出て同社に入った。入社24年目で48歳。陸上工事も海上工事も経験してきたが、港湾の工事のやりがいは、「地元の人たちに喜ばれる仕事」だということ。今回の防波堤工事も「地元から早期完成の要望が強い」と話す。
 もちろん陸の工事とは違った難しさと苦労を、これまで嫌というほど経験してきた。「陸上工事より工種が少ないので簡単そうに思うが、どんなに綿密に段取りをしておいても、すべては天候と海の状況に左右されるので、そう簡単にはいかない」。かつて手掛けた浚渫工事では、あいにく台風の当たり年に重なり、船の準備と待避の繰り返しを何度となく強いられた。悪天候で工程が逼迫した護岸の上部工事では、早朝から深夜までぶっ通しでコンクリートを打設する経験もした。
 それでも、生涯、現場の仕事に関わり続けるのが目標という。「ものを造るのがとにかく楽しい。所長として思い通りの工程を描き、思い通りに作業を進める。もちろんイメージ通りにはなかなかいかないが、日々修正を加えながら工期に間に合わせる。苦労をすればするほど、終わった時の達成感も大きい」。現場の魅力をそう語る。
 今回の現場は若手と2人で管理に当たった。「仕事は厳しくても現場は明るく。ぎちぎちにやるばかりではなく、めりはりを利かせ、忙しくなればなるほど視野を広く」。これがモットーであり、後輩への教育方針でもある。
 結婚して16年になるが、「全期間の8割ほどが単身赴任」という。愛知県内の自宅に妻と中学生の娘が待つ。「向こうは私の赴任先に遊びに来るのが楽しみのようです。現場が観光地に近いと喜ばれますから」。ヘルメットがよく似合う生粋の現場マンの表情が緩んだ。
工事概要
工事名 鹿島港外港地区南防波堤本体工事(その3)
発注者 国土交通省関東地方整備局
鹿島港湾・空港整備事務所
工種 ケーソン製作工(陸上製作)1函、南防N−3区延長25.0m、幅19.4(20.4)m、高さ12.25m
工事内容 底面工510m2、足場工2,740m2、鉄筋工16万5,995kg、型枠工5,209m2、コンクリート工1,222m3、付属工一式
工期 2017年11月1日〜2018年3月30日
ドライドックでケーソンを製作


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