海洋土木技術

⑧臨港道路(鋼管矢板井筒基礎、ニューマチックケーソン基礎)

 港湾周辺は物流拠点として倉庫などの保管機能のほか、流通加工・製造など産業拠点として様々な機能が集積しています。交通アクセスの強化は港湾エリアの通行車両の利便性向上にとどまらず、都心部など内陸の交通渋滞緩和にも役立っています。
 海上に架ける橋梁には、船舶が支障なく航行できる構造が求められます。臨港道路の主塔基礎には、大きく分けて二つの工法があります。

小名浜マリンブリッジ

縦断図

1.杭基礎(鋼管矢板井筒基礎)

 鋼管矢板基礎は、鋼管矢板を閉鎖型の井筒形状(円形・矩形・小判形等)で支持層まで打ち込み設置するものです。鋼管矢板の継手管内をモルタルで充填し、その頭部を頂版(フーチング)により剛結合することによって一体化させます。

鋼管矢板井筒基礎構造図

鋼管矢板井筒の杭配置と打設順序

2. ケーソン基礎(ニューマチックケーソン基礎)

 ニューマチックケーソン基礎は、コップを逆さまにして水中に押し込むと空間が残る原理を応用した工法によるものです。鉄筋コンクリート製の函(ケーソン)の下部に密閉した作業室を設置し、作業室に地下水圧に見合った圧縮空気を送り込むことでドライな状態で掘削・排土し、沈下した分を継ぎ足して構造物を築造します。

ニューマチックケーソン工法