海洋土木技術
⑨廃棄物処分場
廃棄物の中間処理や再生利用が進められた結果、最終処分される廃棄物の量は減少しつつありますが、最終処分場の確保は依然として大きな課題です。港湾では、廃棄物埋立護岸を整備した海面処分場に廃棄物を受け入れ、その跡地を港湾空間における貴重な土地として活用しています。

新海面処分場(東京都)
1. 廃棄物埋立護岸(遮水工)
海面廃棄物処分場の埋立護岸は、遮水工を施して外部との通水を遮断することにより、環境の保全を図っています。

海面廃棄物処分場の遮水構造
・鋼製遮水工
鋼矢板、鋼管矢板およびセルの継手部に不透水性材料を充填して遮水します。不透水性材料としてはモルタルが多く用いられていますが、遮水性を向上させるために各種材料・工法が考案されています。

膨潤性遮水材の状況(膨潤後、鋼矢板継手)

アスファルト充填継手 鋼管矢板
・シート遮水工
シート遮水工は遮水シートと保護マットからなり、それぞれ数種の材料があります。
廃棄物埋立護岸ではシート接合部の遮水性を確保するため、台船上でシートを接合しながら連続して敷設する方法などが取られます。

一体型複合遮水シート
・土質系不透水性材料
土質系不透水性材料は浚渫土(海成粘土)を改良することにより、遮水性能を保持したままで変位追従性を確保できる材料であり、シート遮水工と護岸本体の取り合い部やシートの代替として使用されます。