うみの現場見学会
当協会は、去る12月14日、今治港において、地元の今治市立鳥生小学校6年生約90名と保護者、先生など総勢百名を超えるみなさんを招待して、「第8回 うみの現場見学会」を実施しました。
この見学会は一般市民のみなさんに、港湾整備の重要性について理解を深めて頂き、港湾土木の現場をより身近なものとして感じていただくことを目的として実施しているものです。
まず学校の図書室に集合した参加者のみなさんに、当協会の秋山広報委員長が、「周囲を海で囲まれた我が国は、その輸出入のうち、99.7%の品物が港を通して動いている。今日は現場を見て、この大切な港や海に関心を持って頂きたい」と挨拶。続いて国土交通省松山港湾・空港整備事務所の担当者による出前講座「港の役割」、見学現場の谷本所長による「防波堤工事の概要説明」、クイズ大会、合わせて約1時間の勉強で、港の役割や港湾工事の知識を深めました。
児童たちが講義を聴く姿は真剣そのもの。「なぜ、今治の防波堤はこの向き(斜め)に作るのですか」といった鋭い質問も飛び出すなど、これから見る現場にそれぞれが想いを馳せながら、バスに乗り込みました。
秋山 広報委員長
講義を真剣に聴く
現場に到着すると、生憎の小雨模様ではありましたが、幸い作業には支障なく、起重機船がケーソンを吊り上げる様子を見学することができました。
ビルほどもあるケーソン、それよりも巨大な起重機船を目の当たりにしたみなさんは、口々に「大きい」と溜息を漏らし、そのスケール感に圧倒されていました。
やがて少しずつケーソンを吊り上げている何本ものワイヤーがピンと張っていき、「ギギッ」と鈍い音を立てて、ケーソンが宙に浮いた瞬間、どよめきと歓声が起こり、滅多に見ることのできない光景に感動した様子でした。
見学終了後、児童からは、「ケーソンがとても大きくてびっくりした。もっと海のことを勉強したい」「学校では分からなかったことを知ることができ、大変勉強になった」と、児童代表の挨拶と全員でのお礼がありました。
徐々にワイヤーのテンションが増す
児童たちからのお礼は何よりも嬉しい
浮いた!
巨大なケーソンが宙に浮いた瞬間、見学者から「おおっ」という驚きの声と歓声が沸き起こった
〜意見交換会〜 学校教育の現場で、家庭で、子供たちと語る『みなと』
現場で児童たちと別れた後、協会は、鳥生小学校の先生方3人、保護者15人を囲んで初の試みとなる意見交換会を実施しました。
学校関係者からは、「今日の現場見学会で、子供たちは知的な汗をかいた。技術立国として、あのように大きな機械を動かす様子を実際に目で見て、ものづくりの大切さを学ぶということは、とても良い経験になったことと思う。」と感想が述べられました。
保護者からは、「もし、建設の仕事がしたいと子供に言われたらどう答えたらよいのか」という質問や「これまでは、海といっても景色を観に行く程度でしかなかったが、だいぶ意識が変わったと思う」といった意見が続きました。
ゲストで訪れたフリーアナウンサーの青山佳世氏は、「今日は本当に貴重な一瞬を見せて頂いた。現場のご苦労はあると思うが、大掛かりでなくてもこうした機会を沢山作って頂き、学校の方も、総合学習という時間を使って、両者が良い関係を作って共に取り組んでいくことが大切」と語りました。
最後に後藤事務局長が、「国民が安心して暮らせるために一翼を担っているのが港湾であるということを知って頂きたい」と締めくくり、無事閉会となりました。
学校関係者、保護者との懇談会風景
ゲストコメンテーターの青山氏
後藤事務局長の挨拶