協会技術論文

(2024年Autumn VOL.327 掲載)
令和6年度港湾技術報告会開く
【特別講演】
東京大学 大気海洋研究所 沖野 郷子 教授
【各社報告】
五洋建設株式会社 土木部門環境事業部専門部長 田中 裕一
東亜建設工業株式会社 土木本部機電部電気グループ グループリーダー 藤山 映
東洋建設株式会社 土木事業本部土木技術部技術開発課 渡瀬 陽信
株式会社不動テトラ 総合技術研究所研究開発室第三研究開発グループ グループリーダー 昇 悟志
みらい建設工業株式会社 技術本部研究開発部部長 足立 雅樹
若築建設株式会社 建設事業部門技術部次長 秋山 哲治
 日本埋立浚渫協会は「令和6年度港湾技術報告会」を9月27日、東京都千代田区の星陵会館ホールで開きました。報告会会場には、会員各社のほか、関連団体やコンサルタントなどに所属する方々が大勢集まり、オンラインでの聴講者を合わせておよそ370人が海洋土木に関する最新技術の報告に熱心に耳を傾けました。
(2024年Spring VOL.325 掲載)
港湾工事の設計段階から新技術導入を促進 ~ 国土交通省が2テーマでカタログ公表 ~
「桟橋上部工の施工作業効率化」
「吸い出し防止対策」
 港湾工事で新技術の導入を促進しようと、国土交通省が「港湾工事における〝新技術カタログ〟~設計段階からの新技術導入検討のために」を策定した。激甚化・頻発化する自然災害や気候変動への対応、生産性向上、カーボンニュートラル(CN)の実現など、多様化・複雑化する政策ニーズに的確に対応するのが狙いという。海洋土木会社らが開発した新技術の導入を設計段階から検討する発注者や設計コンサルタントらに参考資料として役立ててもらう。
(2023年Autumn VOL.323 掲載)
令和5年度港湾技術報告会を開催
〈第1部 特別講演〉
東海大学海洋学部海洋理工学科海洋理工学専攻 渡遷啓介 教授
〈第2部 活動報告(各社報告)〉
あおみ建設株式会社 技術事業本部技術開発部 副部長 吉原 到
五洋建設株式会社 技術研究所 土木技術開発部 専門部長 池野 勝哉
東亜建設工業株式会社 技術研究開発センター 水圏技術グループ 主任研究員 倉原 義之介
東洋建設株式会社 北陸支店 工事部 佐々木 元志
みらい建設工業株式会社 技術本部 技術部 課長 山本 隆信
若築建設株式会社 建設事業部門 技術部 部長 壹岐 直之
 日本埋立浚渫協会は「令和5年度港湾技術報告会」を9月29日、東京都千代田区のイイノホール&カンファレンスセンターで開きました。報告会には会員各社に加え、関連団体やコンサルタントなどに所属する方々が大勢集まり、オンライン聴講を含む360人が海洋土木に関する最新技術などの報告に熱心に耳を傾けました。
(2022年Summer VOL.318 掲載)
地盤改良工法のICT化(見える化)に向けたあおみ建設の取り組み
あおみ建設株式会社 技術事業本部 技術開発部 井上 真志
あおみ建設株式会社 技術事業本部 技術管理部 大古利 勝己
 国土交通省ではICTに関する施策を建設現場に導入することによって建設生産システム全体の生産性向上を図り、魅力ある建設現場を目指す取り組みであるi-Constructionを進めている。港湾においても対象工種におけるICT活用の検討やその他工種への拡大等の取り組みが進んでいる。本稿では、地盤改良分野でICT技術を活用することで、不可視部分の多い施工の見える化を実現し、高度な施工管理、生産性向上に向けた取り組みについて報告する。
(2022年Winter VOL.316 掲載)
桟橋鋼管杭補修技術「鋼板接着併用型タフリードPJ工法」
東亜建設工業株式会社 技術研究開発センター 田中 亮一
 近年、桟橋鋼管杭の腐食が著しく進行した事例が散見されている。特に、杭頭部付近の鋼管杭は劣化や損傷を生じやすく、この部位が著しく腐食した場合には桟橋の供用に大きく影響する。当社は、既設の桟橋鋼管杭の杭頭部付近が著しく腐食し、腐食あなが生じた場合でも適用可能な補修技術「鋼板接着併用型タフリードPJ工法」を開発した。本稿では、工法の概要と載荷実験で曲げ耐力を検証した結果を紹介する。
(2021年Autumn VOL.315 掲載)
令和3年度港湾技術報告会を開催
〈特別講演〉
横浜国立大学大学院工学研究院・先端科学高等研究院 教授 光島 重徳
〈協会活動報告〉
東洋建設株式会社 土木事業本部 土木技術部 部長 加藤 直幸
五洋建設株式会社 技術研究所 地盤グループ耐震構造チーム 課長 宇野 州彦
東亜建設工業株式会社 土木事業本部 機電部電気グループ 副参事 那須野 陽平
若築建設株式会社 建設事業部門技術部 技術研究所 課長 吉住 雄二
東亜建設工業株式会社 土木事業本部 機電部機械グループ 担当課長 杉山 晃一
東洋建設株式会社 国際支店工事部 モンバサ作業所工事課 堤 隆亮
 日本埋立浚渫協会は「令和3年度港湾技術報告会」を9月21日に完全Web方式で開催しました。新型コロナウイルス感染症対策として、昨年度はホテルの会議室から講演内容を配信する形で港湾技術報告会を開催しましたが、本年度は講演者がそれぞれの場所からリモートで講演し、登録いただいた参加者が視聴する形での開催を試みました。初めての完全Web方式でしたが、例年を上回る340人の参加が得られ、講演や発表の後にはチャットを活用した質疑応答が活発に行われるなど、有意義な報告会となりました。
(2021年Autumn VOL.315 掲載)
カルシア落下混合船「オーシャン3号」
-カルシア改質土の大規模・高品質な施工が可能-
五洋建設株式会社 環境事業部 田中 裕一
 カルシア落下混合船は、リクレーマ船に、カルシア改質材の供給ホッパ、供給コンベアおよび落下混合用コンベア等を搭載したものであり、浚渫土とカルシア改質材を効率よく混合し、カルシア改質土を大量に製造することができる。
 カルシア落下混合船には、大規模施工が可能、施工の効率化が可能、品質の確保・向上が可能といった特徴があり、実際の施工においてその有効性が確認されている。本報では、カルシア落下混合船のこれらの特徴や品質管理システム、施工時の状況を報告する。
(2021年Summer VOL.314 掲載)
PDM(Pile Driving Monitor)
- 打撃杭変位の自動読取り装置 -
りんかい日産建設株式会社 新谷 聡
りんかい日産建設株式会社 坂本 易隆
株式会社シーズエンジニアリング 西村 真二
 ハンマ打撃による杭打ち作業において、打ち止め時の変位量(貫入量およびリバウンド量)を非接触方式にて自動計測する技術「PDM(PileDrivingMonitor)-打撃杭変位の自動読取り装置-」を、国土交通省の新技術情報提供システム(NETIS:QSK-200002-A)に登録した。従来技術は杭直下での手動計測および手動読み取りで対応していたため、計測作業の安全性や計測精度に課題があった。「PDM」を活用することで、「作業員の安全性向上」や「施工性向上」「計測精度向上」といった効果が期待される。
(2021年Summer VOL.314 掲載)
石材投入施工管理システム
- 準天頂衛星「みちびき」による施工精度の向上 -
東洋建設株式会社 土木事業本部 総合技術研究所 鳴尾研究所 酒井 大樹
東洋建設株式会社 土木事業本部 機械部 鈴木 匠
 近年、沖合海域の大水深下における事業として、水産資源の回復・増大を図ったマウンド礁築造工事が進められている。大水深下では潜水作業ができないため、施工方法は全開式土運船(以下「バージ」)による直接投入となる。そこで、大水深下においてマウンド礁の高精度施工を目的に、投入計画から施工支援、出来形管理までの一連の管理項目にICTを活用した独自開発のトータル施工管理システムを開発した。さらに昨年度には、バージの位置誘導と出来形計測時の位置管理に準天頂衛星「みちびき」を導入し、システムの高精度化を図った。
(2021年Spring VOL.313 掲載)
ジャケット式構造据え付け時における精度向上について
-3Dモデルを活用したジャケット据え付け管理システムの紹介-
東亜建設工業株式会社 土木事業本部機電部 那須野 陽平
 国土交通省では、2016年度から建設生産システム全体の生産性向上を目指し、「i-Construction」を推進しており、港湾分野も早期から情報化施工そしてICTの導入により生産性と施工精度の向上に向けた取り組みが進んでいる。本稿では、ICTを利用したジャケット式構造据え付け時における精度向上策として実施した3Dモデルによるジャケット据え付け管理システムの導入事例について報告する。
(2021年Winter VOL.312 掲載)
2020年度港湾技術報告会を開催
「生産性向上」テーマに事例紹介
五洋建設株式会社 土木部門 土木本部 土木設計部 堤 彩人
東洋建設株式会社 土木事業本部 土木技術部 加藤 直幸
東亜建設工業株式会社 土木事業本部機電部 電気グループ 岡山 健次
若築建設株式会社 技術研究所 土質・地盤改良グループ 水野 健太
あおみ建設株式会社 土木本部 技術開発部 吉原 到
株式会社本間組 土木事業本部 技術部 技術開発研究室 鈴木 敦子
五洋建設株式会社 土木本部 羽田 宏
東洋建設株式会社 土木事業本部 機械部 鈴木 匠
東亜建設工業株式会社 国際事業本部 町田 敬二
 日本埋立浚渫協会は2020年度の「港湾技術報告会」を、9月25日に東京都千代田区のホテルルポール麹町で開催しました。報告会は、港湾建設技術に関する最新動向の紹介や会員各社の研究活動の成果報告などを通じて技術力の向上を図ることを目的に毎年度開いています。例年は200人ほどの参加者が会場に集まりますが、今回は新型コロナウイルスの感染拡大防止に配慮して会場の参加者を40人ほどに絞った上で、ウェブ配信を行って多くの人に報告を視聴してもらいました。
(2020年Autumn VOL.311 掲載)
画像処理による小型航行船舶の安全監視システム
「AI船舶警戒システム(アイシップ)~MIHARU~」
りんかい日産建設株式会社 新谷 聡
株式会社システム計画研究所/ISP 井上 由香
 港湾工事において、工事箇所へ接近してくる一般小型船舶を検出する「AI船舶警戒システム(アイシップ)~MIHARU」を共同開発した。「アイシップ」は、高解像度のカメラ映像より独自の画像処理技術を用いて一般小型船舶の接近を検出するシステムであり、2020年8月に国土交通省の新技術情報提供システムに登録された。「アイシップ」を活用することで、港湾工事における「安全性の向上」や「ヒューマンエラーの防止」という効果が期待されると同時に、高解像度のカメラを現場に設置するのみで運用可能となるため、システムの導入が容易となっている。
(2020年Summer VOL.310 掲載)
地盤改良工事におけるCIMの適用事例
― WIT地盤改良管理システム2020の機能の紹介 ―
若築建設株式会社技術部 原 稔
 地盤改良工事における品質・出来形管理ツールとして、WIT(Wakachiku Intelligence Technology)地盤改良管理システムを2016年に開発した。本システムは、地盤改良工事における品質・出来形情報を3次元CIMモデルの属性データとして一元管理するとともに、動態観測結果や地盤調査結果などの工事関連資料を同CIMモデルに関連付け、関係者間の情報共有ツールとして多くの現場において運用してきた。本稿では、港湾、海岸、空港等の実現場において本システムを適用した事例紹介と、昨今のシステムの運用を通じて拡充してきた機能とその効果について報告する。
(2019年Autumn VOL.307 掲載)
令和元年度港湾技術報告会を開催 約200人参加、活発に質疑
特別講演「ポスト五輪時代の建設現場はこう変わる~AI、ロボットが同僚になる時代~」
株式会社イエイリ・ラボ代表取締役、建設ITジャーナリスト 家入 龍太
協会活動報告
〈自主研究報告〉
五洋建設株式会社 土木部門洋上風力プロジェクト・チーム担当部長 力石 大彦
〈技術開発関連報告〉
東亜建設工業株式会社 技術研究開発センター主任研究員 三枝 弘幸
あおみ建設株式会社 北陸支店新湊上部作業所 水上 柚香
東洋建設株式会社 土木事業本部土木技術部部長 中嶋 道雄
東洋建設株式会社 土木事業本部総合技術研究所鳴尾研究所主任研究員 澁谷 容子
〈国際事業報告〉
東亜建設工業株式会社 国際事業部土木部部長 畠沢 伸治
 日本埋立浚渫協会は「令和元年度港湾技術報告会」を7月26日に東京都千代田区のルポール麹町で開催しました。この報告会は、港湾技術と関連する分野の最新動向などについて有識者にご講演いただくとともに、当協会の自主的な研究活動の成果報告を行い、会員相互の技術の向上を目指すことを目的として、毎年開催しています。
 今回は、第1部として株式会社イエイリ・ラボ代表取締役、建設ITジャーナリストの家入龍太氏を講師にお招きし、「ポスト五輪時代の建設現場はこう変わる~AI・ロボットが同僚になる時代~」と題してご講演いただきました。
 第2部では当協会の活動報告(自主研究報告、技術開発関連報告、国際事業報告)として、会員企業に所属する6人の技術者にそれぞれ、国内外で幅広く活動を行った成果について発表してもらいました。
(2019年Summer VOL.306 掲載)
ため池の放射性物質対策「水底土砂ポンプ浚渫工法」
あおみ建設株式会社 土木本部技術開発部 吉原 到
 東日本大震災の際、原発から放射性物質が広範囲に飛散し、降雨によって福島県内のため池に堆積している。『水底土砂ポンプ浚渫工法』は、ため池に堆積した放射性物質の除去技術として新規開発した浚渫機材および浚渫方法である。当社の港湾および地盤改良分野でのノウハウと最新鋭のICT 技術を活用し、遠隔無人化による施工、高度な施工管理、および大幅な省力化を実現した。
(2019年Spring VOL.305 掲載)
SEP型多目的起重機船「CP-8001」
五洋建設株式会社 洋上風力プロジェクト・チーム 岡田 英明
 CP-8001は、我が国初の大型クレーンを搭載したSEP船で、船名はクレーン作業(C)と杭打ち作業(P)が可能な800t吊の起重機船の1番船であることを意味している。
 本船は、洋上風力発電設備の建設のみならず、気象・海象条件の厳しい海域における各種海洋土木工事においても活用が期待される最新鋭のSEP船である。
(2019年Winter VOL.304 掲載)
30㎥非自航グラブ浚渫船兼起重機船「拓海」
東洋建設株式会社
タチバナ工業株式会社
 東洋建設とタチバナ工業は共同で非自航グラブ浚渫船兼起重機船「拓海」(たくみ)を新たに建造し、2018年11月末に完成した。本船はタチバナ工業がこれまで培ったグラブ浚渫船のノウハウをもとに、3つのコンセプト『環境性能の向上』、『生産性向上』、『社会的要請』を柱として、新しい作業船の在り方を示したものである。ここでは、本船諸元と3つのコンセプトに基づいた特徴や新たな装備について説明する。
(2018年Autumn VOL.303 掲載)
約200人参加し、講演や研究発表 2018年度港湾技術報告会を開催
講演「CIMによる建設生産・管理システムの変革」
矢吹 信喜 大阪大学大学院工学研究科 教授
活動報告
東洋建設株式会社 土木事業本部土木技術部部長 和田 眞鄕
東洋建設株式会社 国際支店ティラワ作業所副所長 相川 秀一
五洋建設株式会社 技術研究所土木材料チーム主任 水野 剣一
五洋建設株式会社 土木本部船舶機械部長 小﨑 正弘
若築建設株式会社 技術研究所 波浪・水理・施工・制御グループリーダー 土屋 洋
若築建設株式会社 九州支店 小川 武洋
東亜建設工業株式会社 北陸支店 中谷 健登
 日本埋立浚渫協会は2018年度「港湾技術報告会」を8月6日に東京都千代田区のルポール麹町で開催しました。この報告会は、港湾技術と関連する分野の動向などを有識者にご講演いただくとともに、当協会の自主的な研究活動の成果などを紹介し、会員相互の技術向上を目指すことを目的として、毎年開いています。
 今回は第1部として、大阪大学大学院工学研究科の矢吹信喜教授を講師にお招きし、「CIMによる建設生産・管理システムの変革」と題して講演をしていただきました。第2部では当協会の活動報告として、会員各社の技術者7人に、ここ1年積極的に外部に発信してきた調査研究の成果を発表してもらいました。報告会の参加者は約200人に上り、講演や発表の後には活発な質疑応答が行われました。
(2018年Summer VOL.302 掲載)
桟橋上部工受梁のプレキャスト化施工について
五洋建設株式会社 東北支店 川俣 奨
 港湾工事は、波浪や潮位の影響を受けやすいため、高波浪による作業中止や潮間作業による施工日数の増加、海象の急変による手戻り、さらに海水浸潤や波浪等の外的要因に起因する品質の低下等の課題がある。本稿では、現場生産性の向上にも資する構造を導入した事例を紹介する。特に気象条件の厳しい東北地方の厳冬期に実施した桟橋上部工について、プレキャスト構造を導入することにより、工程短縮と品質確保、安全性の向上を図った。
(2018年Spring VOL.301 掲載)
『無線式LANボート(仮称)』を用いた港湾構造物の点検・診断システム
五洋建設株式会社 本社 船舶機械部 本山 昇
 国内の港湾構造物は、長きにわたり我が国の産業の発展を支えてきた一方で、近年では老朽化が深刻な問題となっており、早急に適切な維持管理を行う必要がある。しかしながら、膨大な施設数と点検・調査に従事する労働者不足などの課題を抱えており、従来手法より効率的・効果的な維持管理手法の構築および社会普及が強く求められている。これらの背景から、当社は港湾構造物の新たな維持管理手法として「『無線式LANボート(仮称)』を用いた港湾構造物の点検・診断システム」を開発した。本報では、システムの概要と、実際の桟橋に適用し、システムの有用性について検証を行った結果を報告する。
(2018年Winter VOL.300 掲載)
海中障害物撤去ガイダンスシステム
株式会社大本組 東京本社 土木部 橘 伸一
株式会社大本組 東北支店 土木部 太田 俊行
株式会社大本組 東京支店 土木部 生信 将雄
 東日本大震災で発生した津波によって仙台湾南部海岸においては壊滅的な被害が生じた。海岸堤防の復旧は、国土交通省や農林水産省、宮城県等の発注機関の下、堤防天端高さT.P.+7.2mに統一した粘り強い海岸堤防を復旧するものであった。また、消波ブロックの飛散、堤防裏法面の流出など甚大な被害を受けたため、これら海中に飛散した障害物を撤去するに当たり、施工効率および確実性の向上と潜水作業の軽減を目的に「GNSS(全地球測位衛星システム)を使用した海中障害物撤去ガイダンスシステム」を開発した。本システムの概要とともに、施工事例について報告する。
(2017年Autumn VOL.299 掲載)
「国土・人・技術をつくる」テーマに基調講演と施工事例報告
五洋建設株式会社 土木技術開発部ICT チーム 琴浦 毅
東洋建設株式会社 土木事業本部土木技術部技術開発課 加藤 直幸
若築建設株式会社 建設事業部門技術部技術研究所波浪・水理・施工・制御グループリーダー 土屋 洋
みらい建設工業株式会社 技術本部総合評価部部長 泉 誠司郎
(2017年Autumn VOL.299 掲載)
港湾技術報告会 基調講演 Ⅰ 国土をつくる
Port Engineering Network(PE ネット) 事務所代表 元 関西国際空港用地造成株式会社代表取締役専務 古土井 光昭
港湾技術報告会 基調講演 Ⅱ 人をつくる
一般社団法人 土木技術者女性の会 運営委員 東京工業大学 環境・社会理工学院 研究員 山田 菊子
(2017年Summer VOL.298 掲載)
港湾空港生産性向上技術センターの設立目的と今後の計画
国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所 港湾空港技術研究所 港湾空港生産性向上技術センター
(2017年Spring VOL.297 掲載)
自航式多目的船「AUGUST EXPLORER」
東洋建設株式会社 土木事業本部機械部 米田 英史
 今回紹介する「AUGUST EXPLORER」(オーガストエクスプローラー)は東洋建設が建造し、昨年8月に完成した自航式多目的船である。
 本船は国内では数少ない自航式の大型作業船であり、それに加えて多目的船の名のとおり様々な作業が可能となるよう設計した。
 特に水深のある海域でその真価を発揮するDPS(定点保持機能)、海洋資源調査など長期間の運用に対応した設備、地震や津波被災地に対する早期支援活動への適用は本船の大きな特徴である。
 ここでは本船の主要諸元とともにその特徴、稼働実績を含めて報告する。
(2017年Winter VOL.296 掲載)
海洋深層水は低炭素化社会の実現に貢献できる
NPO 海ロマン21 理事 海洋エネルギー・資源研究会主査 井上 興治
 NPO海ロマン21では、低炭素化社会の実現に向けて他の再エネよりもさらに効果が見込めそうな海洋深層水の利用について研究した海洋深層水活用調査研究報告を取りまとめました。私見を交えながらその概要を紹介したいと思います。
(2017年Winter VOL.296 掲載)
自動制御によるコンクリートひび割れ制御システムの開発
みらい建設工業株式会社 技術本部 技術部 石原 慎太郎
 コンクリート構造物は、長期間にわたって要求される性能を発揮しなくてはならず、そのためには品質の高いコンクリートを施工する必要がある。コンクリートの品質を確保するには、コンクリート打設時から養生終了時までの初期段階で発生する「ひび割れ」を抑制することが重要である。本稿では、品質の高いコンクリート構造物を施工するため、寒中コンクリート、マスコンクリートにおける初期段階の養生を確実に管理できる「コンクリートひび割れ制御システム」について紹介する。
(2017年Winter VOL.296 掲載)
那覇空港滑走路増設工事を見学して
一般社団法人 日本埋立浚渫協会 施工委員会 作業船部会
 作業船部会の平成28年度の主な活動としては、意見交換会に向けた「作業船の合理化・適正化」に関する調査研究、稼働実態に即した「船舶および機械器具等の損料算定基準」の調査と考察、「作業船および環境技術等」に関する調査研究を行っている。今年度から前項に加え作業船の技術資料に関する調査研究などを開始している。今回、部会は調査の一環として、平成28年10月6日に那覇空港滑走路増設工事を見学する機会を得たので紹介する。
(2016年Autumn VOL.295 掲載)
「これからの海上施工技術を考える」テーマに2WG・1社が活動報告
株式会社本間組 土木事業本部 技術部 菅原禎
東洋建設株式会社 土木事業本部 土木技術部 合田和哉
五洋建設株式会社 土木本部 土木設計部 力石大彦
一般社団法人 日本埋立浚渫協会 東北支部 技術委員会 副委員長 本杉 成美(東洋建設株式会社)
一般社団法人 日本埋立浚渫協会 九州支部 技術委員会 副委員長 古川 良二(若築建設株式会社)
(2016年Autumn VOL.295 掲載)
— 港湾技術報告会 基調講演 — 公共工事における実践的契約管理技術について
高知工科大学 名誉教授・東京都市大学 客員教授 草柳 俊二
(2016年Autumn VOL.295 掲載)
「埋立地の地盤改良に関するWG」報告
一般社団法人 日本埋立浚渫協会 技術委員会
 平成28年5月、当協会の一部会員によって東京国際空港を含む3空港の5工事において重大な施工不良、データの改ざん、虚偽報告が行われたことが明らかになりました。今回明らかとなった改ざんや虚偽報告は、いずれも施工時のトラブルに端を発しているものの、技術開発の段階から内包されていた問題や施工時のトラブルに対する社内体制の問題等が国土交通省の有識者委員会において指摘されています。このことから、我が国の地震対策上重要な埋立地の地盤改良に関して、技術の信頼性を確保する観点から、当協会の技術委員会内に標記ワーキング・グループ(WG)を立ち上げ、「確実な施工と品質確保」を実現するための施工・品質管理の指針を取りまとめました。本稿は、標記WGにて取りまとめた成果を報告するものです。
平成28年度 港湾技術報告会 テーマ「これからの海上施工技術を考える」
(2016年Summer VOL.294 掲載)
土質系遮水材 HCB-F ーハイブリッドクレイバリア・フライアッシュー
東洋建設株式会社 土木事業本部土木技術部 和田 眞郷
 管理型海面処分場の遮水工は、地震、波浪・潮汐の作用、軟弱地盤の沈下などに起因する変形の影響を受けやすく、変形に対する追随性が求められる。土質系遮水材「HCB-F」は、この変形追随性をもつ遮水材として開発したもので、フライアッシュに固化材と線状高分子材料(繊維材)を混合した高い靱性(粘り強さ)により大ひずみ領域でも耐力を有し、かつ不透水性を保持できる材料である。本稿では、本材料の開発経緯、特徴、施工事例について紹介する。
(2016年Summer VOL.294 掲載)
海上工事の安全環境対策について
一般社団法人 日本埋立浚渫協会 安全環境対策部会
 当協会の会員各社が携わる海上工事の特性に動揺し不安定な船舶を使用すること、波浪等の気象海象の判断が難しいこと、陸上の法律に加えて海事法令も適用されること等があります。これらを踏まえ、安全環境対策部会は、海上工事施工に係る安全環境管理のベテランである会員各社の本社安全環境部長が参画して共通する安全環境上の問題点の把握と解決のために、各種の取り組みを実施しています。今回はこれらの取組みの中から、最近の状況についてまとめました。
(2016年Spring VOL.293 掲載)
大水深対応型水中作業ロボット「DEEP CRAWLER®(ディープクローラ)」
東亜建設工業株式会社 土木事業本部機電部 泉 信也・飯田 宏・小川 和樹
 近年の水中施工機械に求められる多様化に対応するため、小型軽量で水深3,000mの海底や狭小な場所でも作業可能な水中作業ロボット「DEEP CRAWLER®(ディープクローラ)」を開発・実用化した。本機は4軸のクローラとマニピュレータを装備し、遠隔操縦が可能である。本機の概要とともに、海底ケーブル調査で活用された事例などについて報告する。
(2016年Spring VOL.293 掲載)
中城湾港・石垣港浚渫土砂利活用事例現地見学会
一般社団法人 日本埋立浚渫協会 技術委員会環境・海洋部会
 環境・海洋部会では、海洋環境の改善・創出に関する調査研究を活動計画に掲げて、これまで積極的に各種の調査研究活動を実施してきました。具体的には、航路、泊地の浚渫土砂等の利活用による干潟造成、深掘跡の埋め戻しなどの事例収集を行い、事業の分析評価や環境改善・創出に関する技術検討を進めています。それらの成果は部会で作成した「港湾工事環境保全技術マニュアル」に反映しています。今般、調査研究活動の一環として、浚渫土砂の利活用を行っている中城湾港事業(泡瀬地区人工島)と石垣港事業(新港地区人工ビーチ)の現地見学会を開催しました。本稿は、その現地見学会について報告するものです。
(2016年Winter VOL.292 掲載)
航路浚渫支援システム
りんかい日産建設株式会社 土木事業部 技術部 新谷 聡・合田 和弘
 航路浚渫工事において一般の船舶が航路を航行する際、その船舶に必要な可航幅を確保して、作業船を退避させなければならない場合がある。そこで当社は航路浚渫における一般船舶の安全確保と、退避行動の効率化を目的とした「航路浚渫支援システム」を開発した。本システムは、航路浚渫エリアを航行する船舶の可航幅を自動表示し、作業船に退避警報を発令するシステムである。なお、本システムは、平成27年4月にNETIS登録(QSK−150001−A)している。
(2016年Winter VOL.292 掲載)
厚岸(あっけし)漁港地盤改良工事を見学して
一般社団法人 日本埋立浚渫協会 施工委員会 作業船部会
 作業船部会の平成27年度の主な活動としては、「作業船の合理化・適正化」に関する調査研究、稼働実態に即した「船舶および機械器具等の損料算定基準」の調査と考察、「作業船および環境技術等」に関する調査研究を行っている。今年度から前項に加え作業船の技術資料に関する調査研究などを開始している。今回、部会は調査の一環として、平成27年10月15日に厚岸漁港の地盤改良工事を見学する機会を得たので紹介する。
(2015年Autumn VOL.291 掲載)
多点同時注入工法 − 恒久グラウトを用いた変位抑制型の薬液浸透注入工法 −
若築建設株式会社 技術設計部 水野 健太
 多点同時注入工法は、長期的な耐久性や止水性が求められる液状化対策や吸い出し防止対策として適用可能な薬液注入工法である。2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震後の追跡調査においても、本工法により事前に液状化対策を実施していた施設では液状化被害が発生しておらず、本工法が耐震強化対策として有効であったことが実証されている。本稿では、本工法の開発経緯、特徴、施工手順および湾岸エリアにおける施工事例について紹介する。
(2015年Autumn VOL.291 掲載)
基礎材投入施工支援システム − 基礎材投入作業の情報化施工 −
東亜建設工業株式会社 機電部 立野 圭祐
 港湾工事の基礎工や裏込・裏埋工等での石材や土砂(以下、基礎材)の投入作業は、使用するガット船が日々入れ替わるため、従来のGNSS(全地球航法衛星システム)を用いた投入管理は、ケーブルの敷設等が必要であり艤装(ぎそう)・撤去作業に時間を要するため、実現は困難であった。
 そこで当社では、無線通信技術とGNSSを組み合わせて艤装・撤去作業が簡便であり、投入位置(XY平面)の座標管理、過去の投入位置の把握が可能となる「基礎材投入施工支援システム」を開発をした。
平成27年度 港湾技術報告会 「海上施工技術で拓く日本の未来」
平成27年度港湾技術報告会(平成27年7月16日 ルポール麹町)
テーマ「海上施工技術で拓く日本の未来」
第一部 海洋開発への取り組み
第二部 安全・安心な国土形成への取り組み
(2015年Summer VOL.290 掲載)
■グラブ式浚渫船兼起重機船「第十五龍正丸」
大旺新洋株式会社 港湾土木部 廣松 康利
 大旺新洋が建造した「第十五龍正丸」は、当社が浚渫施工実績で培った技術をもとに浚渫施工管理システムや深度補正装置等を採用し、信頼性の高い施工を実現できる最新鋭グラブ式浚渫船である。「機動力」向上につながる「ポンプジェット式スラスタ」を船首・船尾に2 台搭載し、迅速な横移動を可能とした。また、環境面や安全性向上につながる複数の最新機能を搭載したことにより海洋作業環境にも配慮した。以下に「第十五龍正丸」の特徴を紹介する。
(2015年Summer VOL.290 掲載)
■海上工事の安全環境対策について
一般社団法人 日本埋立浚渫協会 安全環境対策部会
 当協会の会員各社が携わる海上工事の特性は、船舶を使用すること、波浪等の気象海象の判断が難しいこと、陸上の法律とは異なる海事法令が適用されることなどがあります。これらを踏まえ、安全環境対策部会は、海上工事施工に係る安全環境管理のベテランである会員各社の本社安全環境部長が参画して共通の安全環境上の問題点の把握と解決のために、各種の取り組みを実施しています。
 今回は、安全環境対策部会と会員各社が取り組むべき事項についてまとめました。
(2015年Spring VOL.289 掲載)
■タンジュンプリオク港における竹杭基礎による防波堤築造について
東洋建設株式会社 タンジュンプリオク港作業所副所長 相川 秀一
 タンジュンプリオク港はインドネシア最大の港であり、全国の約半分のコンテナを取り扱っている。その取扱量は世界でも20番目にランキング(2012年)されており、日本の主要港である東京港や横浜港を凌ぐ規模となっている。一方、その施設である防波堤に関してはオランダの統治時代(1900年頃)に整備されたものをそのまま利用している状況で、港口は2ヵ所あるものの、東側の1ヵ所は水深も浅く、防波堤自体の沈下が激しく、一般の貨物船は利用できなくなっている。また、もう一方の西側の港口についても港口の幅は125mしかなく、大型船が行き交いできない状況である。貨物の取扱量が増える一方で、施設が対応できない状況にあり、港内を航行する船舶の安全性および効率性を確保する上で施設の見直しが迫られていた。本稿では、新設する防波堤の基礎にインドネシアの伝統工法である竹杭基礎を採用したので、その成果を報告する。
(2015年Spring VOL.289 掲載)
■4Dソナーによる施工管理システム
五洋建設株式会社 土木本部船舶機械部 眞鍋 匠
 4Dソナーによる施工管理システムは、海底や水中構造物の形状を4次元(X,Y,Z,時刻)で計測し、表示および記録することができる施工管理システムである。ソナーを艤装した船体の動揺を計測して瞬時に補正することができ、超音波のノイズデータの除去も自動で行うため、従来は不可能であった、位置情報を有するリアルタイムな水中可視化計測による施工管理が可能となった。本稿では、システムの概要について紹介するとともに、その性能について精度検証実験を通して明らかにする。
(2015年Winter VOL.288 掲載)
■自航式ポンプ浚渫船 —「CASSIOPEIA Ⅴ」—
五洋建設株式会社 土木本部 船舶機械部 松藤 広行
 「CASSIOPEIAⅤ」は、五洋建設が36年ぶりに建造した大型ポンプ浚渫船である。自航式であり、アンカーブームも装備しているため、アンカー打替作業に揚錨船を必要とせず、機動性に優れたポンプ浚渫船である。総浚渫ポンプ能力は10,800kWを誇り、大容量、長距離の土砂排送が可能である。また、大型カッターラダーと高性能カッター駆動装置の搭載によって岩盤掘削にも対応し、スパッド起伏装置、自動浚渫装置等も有した最新鋭のポンプ浚渫船である。
(2015年Winter VOL.288 掲載)
■酒田港(北港地区)ポンプ浚渫工事を見学して
一般社団法人 日本埋立浚渫協会 施工委員会 作業船部会
 作業船部会の2014(平成26)年度の主な活動としては、意見交換会に向けた「作業船を取り巻く課題改善に関する要望」の調査研究、稼働実態に即した「船舶および機械器具等の損料算定基準」の調査と考察、「作業船の係留場所、係留費用等」の調査を行っている。今後は作業船を取り巻く環境技術に関する調査研究などを行う予定である。今回、部会は調査の一環として、2014(平成26)年11月7日に酒田港のポンプ浚渫工事を見学する機会を得たので紹介する。
(2014年Autumn VOL.287 掲載)
■平成26年度 ベトナム視察調査報告
一般社団法人 日本埋立浚渫協会 国際部会 ベトナム視察調査団
 一般社団法人日本埋立浚渫協会・国際部会では、協会会員会社の海外展開支援のため、現地の状況把握と進出にあたっての課題抽出をテーマに活動を行っている。その部会活動の一環として、ベトナム社会主義共和国(以下「ベトナム」と言う)における協会会員会社の担当現場を対象に、現地視察調査を行った。調査は、各現場が抱える海外ならではの課題を確認できるよう、現場の視察と担当者へのヒアリングを実施した。また、ベトナムのインフラ開発計画に関わる最新の動向を情報収集するため、在ベトナム日本国大使館とJICA(国際協力機構)ベトナム事務所にもヒアリングを行った。本文は、会員10社19名からなる調査団(団長:国際部会副部会長渡辺薫)によって実施した調査結果を報告するものである。
(2014年Autumn VOL.287 掲載)
■グラブ浚渫船兼全旋回式起重機船「若鷲丸」
若築建設株式会社 建設事業部門技術設計部 技術課 平岡 誠
 「若鷲丸」は、若築建設株式会社がこれまで海洋土木工事で培った技術から『環境に配慮』・『浚渫作業の効率化』・『機動力』・『安全・保守』の4つのコンセプトを基に建造した非自航式のグラブ浚渫船兼全旋回式起重機船である。『環境に配慮』技術では、「IMO(国際海事機関)認証の原動機」、「ハイブリッド式のグラブ浚渫機」、「グラブバケットの余水排水装置」等があり、『浚渫作業の効率化』技術には、「グラブバケット巻き上げ時間短縮」、「法面対応グラブバケット」、「グラブバケット角度制御」等がある。また、『機動力』技術には、「キック式スパッド」、「可変方向式スラスター」等があり、『安全・保守』技術には、「階段」、「開口部の墜落防止措置」、「予知保全システム」等がある。ここでは、これらの特徴的な「4つの技術」を中心に説明する。
(2014年Autumn VOL.287 掲載)
■伊豆大島における災害復旧工事の状況について — 元町港、元町漁港 —
五洋建設株式会社 東京土木支店大島工事事務所 工事所長 小濱 隆一郎
 2013(平成25)年10月16日に伊豆諸島や関東地方を襲った大型の台風第26号は、伊豆大島に記録的な大雨をもたらし、元町地区を中心に発生した大規模な土砂災害は、死者36名、行方不明者3名を出したほか、多くの住宅が流されるなど甚大な被害を引き起こした。大量の流木やがれき類が入った土石流の一部は麓の市街地を抜け、元町港や元町漁港、また隣接する弘法浜へと流れ込んだ。島民や漁業従事者が日常生活を一刻も早く取り戻せるように、速やかな港の機能回復を目指し、急ピッチで災害復旧工事を進めてきた。被災後まもなく1年が経過するにあたり、災害復旧工事の現状を報告する。
(2014年Summer VOL.286 掲載)
■安全環境対策部会の活動について
一般社団法人 日本埋立浚渫協会 安全環境対策部会
 当協会の会員各社が携わる海上工事の特性として、作業に船舶を使用し、波浪等の気象・海象に大きく左右されること、海事法令が適用されることなどが挙げられます。これらを踏まえ安全環境対策部会は、海上工事の施工に係る安全環境管理のベテランである会員各社の本社安全環境部長が参加して、共通の安全環境上の問題点の把握とその解決のために、各種の取り組みを行っています。今回はこれらの取り組みの中から、最近の活動についての報告をさせていただきます。
(2014年Summer VOL.286 掲載)
■入出港船舶通報システム(NETIS KKK-130002)
りんかい日産建設株式会社 土木事業部 技術部 新谷 聡・元水 佑介
 港湾工事で一般航行船舶との海上交通災害を防止することは最優先課題である。「入出港船舶通報システム」は、海上交通災害の防止を目的に開発した。本システムは、赤外線センサーで警戒ラインを設け、そこを航行する船舶を検知し自動的に通報する仕組み。主要機器は、赤外線センサー・無線機・パトライト( 回転灯)であるため、経済性や利便性に優れている。電源にはソーラーパネルを使用することで環境にも配慮したシステムとなる。NETIS(新技術情報提供システム)に登録しており、りんかい日産建設株式会社と株式会社ソーキが共同開発した。
(2014年Spring VOL.285 掲載)
■安倍首相のアフリカ歴訪に経済ミッションとして参加 −五洋・東亜・東洋 各社同行記−
一般社団法人 日本埋立浚渫協会
 五洋建設、東亜建設工業、東洋建設の各社代表は、安倍晋三首相の中東・アフリカ歴訪に当たり、2014(平成26)年1月9日〜11日にコートジボワール共和国、12日〜13日にモザンビーク共和国にそれぞれ滞在し、拡大首脳会議への出席、港湾関係者との会合等に参加した。安倍首相は、資源が豊富で人口増が続く中東・アフリカに対し、成長戦略の一環で経済外交を重視する立場から市場開拓の旗振り役として、同行した約35の企業・団体で作る経済ミッションのインフラ・資源開発への日本企業の参画を支援するとともに、官民を挙げて各国の発展をサポートしたいと強調した。モザンビークで開かれた日本貿易振興機構(JEtrO)主催の投資セミナーでは、東亜建設工業の鈴木行雄会長が(一社)日本埋立浚渫協会副会長の立場でプレゼンテーションを実施した。各国での活動概況について報告する。
(2014年Spring VOL.285 掲載)
■押航式全旋回起重機船「にいがた401」
株式会社本間組 土木事業本部 機電担当 原田 英知・小崎 孝一
 「にいがた401」は施工の安全性、確実性、省力化の実現を目指し、海洋土木工事のニーズに幅広く対応できる押航式全旋回起重機船である。本船はピンローラ式スパッドによる船体保持機能やポンプジェット式スラスタによる船体移動補助装置の採用により、機動性に配慮している。また、最新の施工管理システムを導入することで海上吊り作業、浚渫作業、基礎マウンド築造作業等、海上土木工事におけるあらゆるシチュエーションで信頼性の高い施工が実現できる。さらに、地球環境保全等、今後の海洋作業環境における環境負荷の低減を図るために、環境対策型エンジンを採用し、船内における未利用エネルギーの利活用等も行う環境配慮型作業船として建造された。以下に、「にいがた401」の概要について紹介する。
平成25年度港湾技術報告会(3月13日)講演概要集
(2014年Winter VOL.284 掲載)
■中城(なかぐすく)湾港(泡瀬地区)の地盤改良・揚土工事を見学して
一般社団法人 日本埋立浚渫協会 施工委員会 作業船部会
 作業船部会の平成25年度の主な活動として、意見交換会に向けた「作業船を取り巻く課題改善に関する要望」の調査研究、稼働実態に即した「船舶および機械器具等の損料算定基準」の調査と考察、「作業船および環境技術等」の調査研究を行っている。今後は作業船運用の合理化・適正化に関する調査研究や新たな損料体系構築案の検討などを行う予定である。今回は部会としての調査の一環として、平成25年11月8日に中城湾港(泡瀬地区)の地盤改良・揚土工事を見学する機会を得たので、その紹介を行う。
(2014年Winter VOL.284 掲載)
■重力式係船岸増深のための基礎構造に関する研究
一般社団法人 日本埋立浚渫協会 共同研究WG
 独立行政法人港湾空港技術研究所と一般社団法人日本埋立浚渫協会は、平成21年度から3年半にわたり重力式係船岸増深のための基礎構造に関する共同研究を行った。主な研究テーマは、既存の重力式係船岸に対して、捨石マウンドの一部を改良・固化し掘削することで法線位置を変更せずに数メートルの増深を可能とする工法の検討である。本誌において中間報告を行ったが、その後、設計・施工法の検討を進め、あわせて大型土槽において実物に近い捨石へ注入実験を行い、実用化に向けた研究成果が得られたので報告するものである。
(2013年Autumn VOL.283 掲載)
■羽田空港第五(E)滑走路増設に関する研究報告
一般社団法人 日本埋立浚渫協会 技術部会 羽田WG
 羽田空港は、平成22年10月のD滑走路の供用によって発着能力が増大し、その一部を国際定期便に割り当てることにより、国際拠点空港としての機能の向上が図られている。一方、首都圏の航空需要は今後とも大幅な増加が見込まれており、近い将来には再び需要が逼迫するとも言われている。一般社団法人日本埋立浚渫協会では、平成22年度から、以上の背景を踏まえ羽田空港の第五滑走路(以下、E滑走路という)の増設について、埋立工法を用いた場合の技術課題を抽出することを主な目的として調査研究を行ってきた。本稿は、その研究成果を報告するものである。
(2013年Autumn VOL.283 掲載)
■東日本大震災復旧工事の状況について(その5)- 釜石港・大船渡 -
一般社団法人 日本埋立浚渫協会 技術委員会
 技術委員会による東日本大震災復旧工事のレポートもいよいよ最終回となる。今回は、釜石港と大船渡港の湾口防波堤の復旧・復興に関する報告である。いずれの港も、今回の地震に伴う津波により大きな被害を受け、震災後5年をかけて復旧・復興が進められている。大規模な港湾施設を短期間で復旧・復興するためには様々な工夫や努力が必要であり、5年の中間に当たる本年度は、復旧・復興工事の課題を洗い出す良い機会でもある。ここでは、平成25年6月5日〜6日に行った釜石港、大船渡港の震災復旧・復興工事の視察結果について報告する。
(2013年Autumn VOL.283 掲載)
■ソイルセパレータ・マルチ工法
- 浚渫土砂や津波堆積物の分別・分級・有効利用と処分量の減容化 -
東亜建設工業株式会社 技術開発センター 御手洗 義夫
 近年、浚渫土砂の処分地はその容量が逼迫しており、新規に建設することも難しい状況にあり、浚渫土砂の有効利用や減容化が求められている。そこで、砂質系の浚渫土砂から良質の砂礫やシルトを取り出して有効利用し、処分量を減容化することを目的として「ソイルセパレータ・マルチ工法」を開発した。さらに本工法に改良を加え、東日本大震災で大量発生した津波堆積物の処理に適用を拡大し、ごみやがれき類をほぼ完全に分別・除去することで処分量の減容化を図るとともに、高品質で多用途な土質材料を復興資材として有効利用するシステムを確立した。
(2013年Summer VOL.282 掲載)
■東日本大震災復旧工事の状況について(その4)- 小名浜港 -
一般社団法人 日本埋立浚渫協会 技術委員会
 技術委員会による東日本大震災復旧工事のレポートもいよいよ第四弾となる。今回は、福島県南部に位置する小名浜港からの報告である。小名浜港は、物流、工業、漁業、観光など、様々な経済活動の拠点として、地域経済に不可欠な存在となっており、その迅速な復旧・復興はきわめて重要である。小名浜港における港湾施設の災害復旧工事も急ピッチで進められ、平成25年度はその仕上げの年となる。ここでは、これまでと同様に、将来起こることが予測されている大災害に備えることを目的に、災害復旧工事を視察して施工現場の技術者と意見交換を行い、その課題や工夫について整理を行う。平成25年4月5日に実施した小名浜港における災害復旧工事の視察についてレポートする。
(2013年Summer VOL.282 掲載)
■安全環境対策部会の活動について
一般社団法人 日本埋立浚渫協会 安全環境対策部会
 安全環境対策部会は、安全環境管理の実務トップである会員各社の本社安全環境部長級が構成員となり、港湾空港工事の事故災害防止に役立てるために、計画に基づきポスターや教育資料の作成およびパトロール等を実施しています。今回はこれらの取り組みの中から、昨年度の活動結果と今年度の取り組みについて報告致します。
(2013年Spring VOL.281 掲載)
■東日本大震災復旧工事の状況について(その3)- 八戸港、久慈港、宮古港 -
一般社団法人 日本埋立浚渫協会 技術委員会
 未曽有の被害をもたらした東日本大震災から、はや2年が経過した。被災した各港湾では、災害復旧工事が急ピッチで進められている。一部の災害復旧工事では既に竣工し、また竣工を迎えようとしている。技術委員会は、平成24年度の活動の一環として、災害復旧工事における課題や工夫を整理して将来に備えることを目的に災害復旧が行われている現場を視察し、施工現場の生の声を聞き意見交換をした。本稿は、平成25年2月19、20日に実施した東北地方太平洋側の北に位置する八戸港、久慈港および宮古港における復旧工事の視察について、その結果を報告するものである。
(2013年Spring VOL.281 掲載)
■東日本大震災復旧工事の状況について(その2)- 仙台塩釜港(仙台港区) -
一般社団法人 日本埋立浚渫協会 技術委員会
 前回の相馬港に引き続き、仙台塩釜港(仙台港区)の震災復旧工事の状況について報告する。仙台塩釜港は東北唯一の国際拠点港湾であり、東北の物流拠点において重要な役割を果たしてきた。特に仙台港区の向洋地区は東北港湾のコンテナ取扱量の6割を占めていたため、被災したコンテナふ頭の復旧工事は早急に着手され、視察した昨年9月13日には完了し供用されていたが、今回はこの工事を含めて報告する。
(2013年Winter VOL.280 掲載)
■東日本大震災復旧工事の状況について(その1)- 相馬港 -
(社)日本埋立浚渫協会 技術委員会
 平成23年3月11日に発生した東日本大震災から約1年半が経過し、地震・津波で被災した各港湾の災害復旧工事は本格的に実施されてきている。今回、多くの港湾施設が地震や津波で被災したが、その規模は過去数百年において最大であり、さまざまな苦労と工夫をしながら復旧工事が進められている。近い将来、東海地震、東南海地震、南海地震あるいはそれらの連動地震の発生が予想されている。それらの災害に備えて現在東北地区にて実施されている災害復旧工事における課題や工夫を整理し、将来に備えることは重要であるとし、技術委員会ではこのような観点から、災害復旧が行われている現場を視察することとした。今後、各港に対して視察を行い、順次報告する予定である。第一弾として9月14日に視察した相馬港の復旧工事について報告する。
(2012年Autumn VOL.279 掲載)
■重力式係船岸増深のための基礎構造に関する研究(中間報告)
(社)日本埋立浚渫協会 共同研究WG
 独立行政法人港湾空港技術研究所(以下、港空研という)と社団法人日本埋立浚渫協会(以下、埋浚という)は、平成21年度から重力式係船岸増深のための基礎構造に関する共同研究を行っている。主な研究テーマは、既設重力式係船岸の捨石マウンドの一部を固化・掘削することで増深化を図る工法の検討である。
(2012年Spring VOL.277 掲載)
■安全環境対策部会の活動について
(社)日本埋立浚渫協会 安全環境対策部会
 当協会の会員各社が携わる海上工事の特性として、作業が波浪等の気象海象に大きく左右されること、作業に船舶を使用し陸上の法律とは異なる海事法令が適用されることなどがあげられます。
 これらを踏まえ安全環境対策部会は、海上工事施工に係る安全環境管理のベテランである会員各社の本社安全環境部長が参加して、共通の安全環境上の問題点の把握と解決のために、各種の取り組みをしています。
 今回はこれらの取り組みの中から、最近の活動についての報告をさせていただきます。
(2010年Winter VOL.268 掲載)
■潜水作業の安全性を向上させる「水中位置測定装置」
(社)日本埋立浚渫協会 安全環境対策部会 水中位置測定装置開発WG
 港湾工事における潜水作業は、依然として危険性の高い作業であるが、その災害防止対策は、潜水士の位置をリアルタイムで確認できない等、その作業の特殊性から潜水士自身に依存している部分が多い。この度、作業船稼働中の工事海域で潜水士の位置をリアルタイムで測定し、船上のパソコン画面に位置情報を表示できる水中位置測定装置(Ultra Sonic Positioning System)を開発したので、その概要を報告する。
(2009年Summer VOL.266 掲載)
■安全部会の活動報告
(社)日本埋立浚渫協会 施工委員会 安全部会
 安全部会では、会員各社に共通する港湾工事に係わる安全衛生上の課題等に関して、様々な取組みを行っています。
今回はこれらの取組みの中から、最近の活動についていくつかご紹介するとともに、継続して取組んでいる「水中位置測定装置の開発」の最終段階を迎えた状況を報告致します。
(2009年Spring VOL.265 掲載)
■管中混合固化処理工法
(社)日本埋立浚渫協会 技術委員会第三研究部会 軟質土固化処理研究グループ
 管中混合固化処理工法は、グラブ浚渫した浚渫土砂を空気圧送船にて揚土する際に固化材を添加し、圧送管内で発生するプラグ流による乱流効果を利用して浚渫土砂と固化材を攪拌混合する工法です。
(2009年1月号 VOL.264 掲載)
■環境の改善保全を考慮した港湾整備について
 −循環型社会の対応を目指すゼロエミッション技術と海域環境の保全に向けた水質改善技術−
(社)日本埋立浚渫協会 環境部会
 近年、港湾整備にあたっては、港湾そのものの機能を満足するのみならず、社会環境を始め周辺の自然環境にも配慮した港湾整備が要求されるようになっている。東北地方沿岸は、リアス式の良好な海域環境に恵まれ、古くからカキ・ホタテなどの養殖が各地で行われてきた。これらの生産が増えるにともなって、大量のカキ貝殻やホタテ貝殻の処理が困難となり、有効活用が求められている。また、漁業生産の拡大に加え、社会環境の変化に伴う環境負荷の増加により、閉鎖性の高い内湾は徐々に水質の汚染が進行し、一部では赤潮の発生が頻繁に見られるようになってきた。このような環境をよくするために、循環型社会に対応する技術開発や海域環境を改善する技術開発が行われている。環境部会では、環境調査の一環として仙台港湾空港技術調査事務所と塩釜港湾・空港整備事務所を訪問し、これら環境の改善保全を考慮した東北地方整備局管内の港湾整備状況をヒアリング調査するとともに、これら事業が施工されている現地を視察した。
(2008年3月号 VOL.260 掲載)
■安全部会の活動報告
(社)日本埋立浚渫協会 施工委員会 安全部会
 安全部会では、会員各社に共通する港湾工事に係わる安全衛生上の課題等に対して、様々な取り組みを行なっています。今回はこれらの取り組みの中から、最近の活動についていくつか紹介すると共に、継続して取り組んでいる「水中位置測定装置の開発」のその後の状況を報告いたします。
(2007年9月号 VOL.257 掲載)
■高圧フィルタープレスによる機械脱水処理土の土質特性
(社)日本埋立浚渫協会 第三研究部会 浚渫土減容化ワーキンググループ
 浚渫土の処分場が不足している現状においては、浚渫土を良質の土に改良し、有効活用を図る必要がある。機械脱水処理工法も有力な改良工法の一つであるが、脱水処理土の土質特性が明確でないため、幅広い用途への適用はなされていない状況にある。この度、新潟県加茂湖において、高圧フィルタープレスによる機械脱水処理土の土質特性について調査したので、その結果を紹介する。
(2006年9月号 VOL.251 掲載)
■臨海部都市再生・次世代モデルスキームの検討
 港湾施設のコンバージョン(用途変換)に関する最近の動向について
(社)日本埋立浚渫協会 第四研究部会 第2ワーキンググループ
 低利用・遊休化した港湾施設のコンバージョンに新しい流れが見られる。従来は、小樽港運河倉庫や横浜港赤レンガ倉庫などのように、主として歴史的価値のある港湾施設の保存を目的とした事業や、貯木場跡水面をプレジャーボート係留施設として整備する事業などが行われてきた。しかしながら、最近では特筆すべき歴史的価値のない一般的な港湾倉庫や上屋を、賑わい系施設にコンバージョンする事業や、民間の資金・ノウハウの積極的な導入、さらにはNPOおよび地元有志による手作り感覚の事業が成功している事例も見られる。本ワーキンググループでは、臨海部都市再生における次世代モデルスキームの検討を行うにあたり、港湾施設のコンバージョンに関する最近の動向を把握するため、港湾管理者へのアンケートと事例調査を行ったので、ここにその概要を紹介する。
(2006年9月号 VOL.251 掲載)
■大震災後のがれき処理の検討について
(社)日本埋立浚渫協会 第四研究部会 第1ワーキンググループ
 「防災」が注目される中、防災計画は震災直後の緊急避難計画を優先して検討されており、がれき処理に関しては、各自治体の管轄内での基本的検討にとどまっているのが実状である。そこで首都圏において関東大震災と同規模の南関東地震が発生した際の、がれきの収集、仮置き、運搬、処理に焦点を合わせ、広域的でより具体的な検討を行った。その概要を紹介する。
(2006年3月号 VOL.248 掲載)
■海外に見る自然再生と有害底質処理への新たな取り組み
(社)日本埋立浚渫協会 第四研究部会 第3ワーキンググループ
 現在、我が国においては高度成長期における様々な社会的歪みを是正すべきとの声が高まってきている。港湾や河川における自然再生要求や有害底質処理の必要性もその一環に位置づけられる。海外においてはそれらの問題を独自の創意工夫で解決しつつある事例が認められる。我々ワーキンググループでは、海外事例を現地調査により把握した。その概要を紹介する。
(2005年11月号 VOL.246 掲載)
■臨海部都市再生・次世代モデルスキームの検討 
 官民連携事業方式—PPP(Public Private Partnership)— の事例紹介
(社)日本埋立浚渫協会 第四研究部会
 国土交通省の調査によると、臨海部には官民あわせて約8,000haの低・未利用地が確認されているが、厳しい財政状況や臨海部特有の規制等により、再生が遅れているケースも少なくない。このような状況を解決するために、近年PFIや指定管理者制度が導入されつつあるが、より広義の官民連携事業方式−PPP(Public Private Partnership)−については、これから検討を始める段階である。このため社団法人日本埋立浚渫協会では、臨海部再生事業の推進に資するため、新しい臨海部の官民連携事業方式(PPP)の検討に着手した。本稿では検討に際して行なった先進事例調査について紹介する。